2010年5月13日木曜日

赤目自然農塾 Part1

さる5月8日〜9日に、三重県は名張市にある赤目自然農塾に参加してきました。こちらは主宰者の川口由一さんによって1991年に発足されており、30年程放置されていた棚田をお借りしての、日本で最も古い自然農の学びの場です。当倶楽部でも川口さんの影響は強く、その教えに沿った農法を実践しておりますが、実際にはどのようなやり方、考えの元に行われているのか、この目で見てまいりました。

初日は空気も澄んで、気持ちのいい五月晴れ。山の中なので東京よりも3〜5度低い気温でしたが、寒いというより涼しいと行った感じでした。とにかく空気がおいしい!最寄りの赤目口駅を下車し、長閑な田園を40分程歩くと塾に到着。少し経ってから川口さんも登場し、学びがスタートしました。
どこまでも広がる長閑な風景。とにかく広い!
奈良県から流れている宇陀川。水がきれいでした。側に民家が建ち並びます。
自然農塾に到着!自然農ならではの草だらけで、
どこが田んぼ?畑?という感じでした(笑)が、
よく見ると作物がスクスクと育ってました。
こちらでの学びとは月一回、川口さんをお迎えして共同作業と畑や田んぼの手入れを講義、実演と共に教えていただくというもの。本日はもうすぐ20周年なのでそれを記念しての小屋作りと便所の扉作り、それ以外は塾生が各々自分の畑や田んぼの手入れを行っておりました。来月田植えを行うため、既に稲の苗床作りは終わっていましたが、今回初めて来た人たちに特別に苗床での種降ろし(種蒔き)を実演していただきました。
これが小屋に使う柱の部分。ダボの切り出しも、
機械を使わずノミとカンナで仕上げます。とてもきれい!
米の苗床作り。もみは早稲種の古代米。平鍬で除草し平にした後、均等に蒔いて行きます。
蒔き終わったら、土をかぶせて、乾燥しないように刈った草をかぶせます。
鳥避け用に笹竹を四隅に立てて、テグスで囲います。
ちょうど鳥の頭の位置にテグスがあたるように調節すると、
鳥は入って来れないようです。鳥以外の動物(猫など)にも効果的。
完成!今回はお米でしたが、その他の野菜の苗床でも同様の作り方だそうです。
なるほど…。こちらでは鳥以外にも動物(特にイノシシ、猿)などの被害が多く、いかにして彼等から作物を守るかという対処がなされておりました。山の上の方に行くと、イノシシ避けにトタンを使った壁が作られており、それでもどこからか侵入して来て荒らされるそうです。猿にいたってはトタンを軽く飛び越えて、タマネギやジャガイモ、イチゴなど食べ放題。さすがにそこではネットを張ってました(それでも破られて食い荒らされておりました…手強い!)。

夜は山の共同浴場でさっぱりした後、隣の奈良県の山奥にある山荘に向かいました。この山荘は元々、とある方の別荘で、その方のご好意でお借りしているとのこと。すぐそばには水田もあり、まさに歴史ある民家といった佇まい。川口さんを囲んでの野菜中心のおいしい夕食をいただきました。
ご好意でお借りしている山荘。総勢100名以上が泊まります。
参加者全員で手伝いながらテキパキ準備します。
この日の夕食は、タケノコとツツジの花の天ぷら(美味!)、切り干し大根の揚げ春巻き、
すりおろした人参とタケノコの炊き込みご飯でした(これがまた最高)。
殆どの食材は畑で取れたもの。
夕食後夜の学びと称し、参加者全員で川口さんを中心にお話を伺い、質疑応答がなされました。この日のテーマは「時空と時間・空間」。空間における決して止まることのない時の流れは、かけがえなく、尊い一生であること、自分の能力を理解し、何をどうすればいいのかをお話しいただきました。時間は深夜まで及びました。

さて明けて翌日は、川口さん実演による夏野菜の種降ろし。モロヘイヤやつるありインゲン、冬瓜などの種を蒔き、またキャベツや菊菜の間引きを見せていただきました。間引き菜は非常に美味しいらしく、こうして間引き続けることで夏まで美味しく食べ続けられるそうです。また、万願寺のポット苗の植え付けなども見せていただきました。 
川口さん自らの実習。参加者は昨日よりも増え、見える位置の確保に必死でした。
塾生の畝。ここはジャガイモを植えていたそうですが、
猿に殆ど引っこ抜かれたそうです。こんなに草ボウボウでも逞しく育っています。
最後に農場全体を見学。米や野菜だけでなく、栗やみかん、キウイなども育てており、幅の広さに驚かせられました。一塾生が育てているにらを一口いただきましたが、味が濃厚ですごく美味しい!自然農の力を改めて感じました。

今回の参加で、色々な点で気付かされたことが多く、本やWebでは分からないことを教えていただきました。川口さんをはじめ、色々な方々とふれあうことができて、とても有意義な2日間でした!

タカシ


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