2011年4月14日木曜日

赤目自然農塾 Part10

みなさん、こんにちは。まずは「関東東北大震災」にて被災された方々、関係者の方々には心からお見舞い申し上げます。私も地震発生時は東京の畑におりまして、ちょうど先月の塾の学びに出かける数時間前でした。ここ東京でも様々な交通機関が麻痺し、また家族や友人、知人等の安否確認など、先月の塾の学びは断念せざるを得ませんでした。レポート出来なかった事、お詫び申し上げます。

さて、徐々に落ち着きを取り戻しつつあるここ東京でも、未だ余震は続いておりますが、西方面への高速バスはすっかり復旧していたので、特に問題なく赤目に到着しました。行こうと思っていて行けなかったりすると、着いたと同時に、妙な安堵感や懐かしさを覚えます。天気は小雨で割と寒いですが、心の中は晴れ晴れでした。

2月に降り積もっていた雪は跡形も無く、所々のサクラも満開で、ここ赤目にも春が訪れてます。今回はいよいよお米作りスタートです。去年、初めて参加したときは既に苗代から芽が出ている時期でしたので、実演されるのを楽しみにしていました。当菜園でも今年は米を作る予定なので、一連の流れを是非学んでいきたいと思います。
あいにくの雨模様。彼方の山々にまで雨雲が差し掛かり、
何とも言えない情景です。サクラもしっとりと咲いてます。
通り道のいつもの田んぼにも、草が生え始めてきました。
田植えの時期まで静かに待ち構えている、といった感じ。
今回の共同作業は、小屋や休憩所の周りの掃除。
小雨が降りしきる中、手際よく皆さんできれいにしていきます。
放射能の事を気にされてか、雨が止まないので川口さんの提案で、
自然農に関しての質問意見交換が行われました。
しばらくしたら雨も止んだので、駐車場にまく石を川から運ぶ作業。
女性も含め、重たい石を沢山運びました。
それにしても皆さん、よく働きます。結構な重労働ですが、皆で助け合ってやるとまた楽しい!いい汗をかいたところで、いつものの銭湯へ。毎回山荘に向かう前に行きますが、いつもこのお風呂が大好きです。サッパリ感この上ない。しかも先風呂の後の食事って異様に美味しいですしね。山荘ではすでにいいにおいが漂い、おいしい野菜料理が待ってました。

食後は恒例の夜の学びへ。いつも農を通じて、人はどうあるべきか、生きるべきかを大まかなテーマとして話し合われてきましたが、今回は東北の大震災と原発事故について、またその復興の仕方について、意見し合いました。中には被災地の福島から来られた方の意見も伺え、自然界において元々存在しない原子力発電、または太陽光や風力、波力、地熱などの自然エネルギーによって発電した電気を消費するという生活様式をもう一度見直し、これからの自然と人との正しい関係性について、現実を受け止め、学び、考え、そして自身で判断するチャンスだという結論に至りました。今まで参加した中で、さらにより深い学びとなったように思います。
本日の夕食。フキの炊き込みご飯や、ひじきの天ぷら、菜の花のおひたし、
もちろん無添加のたくあんなど、どれも優しい味。
大変美味しくいただきました!
そして一夜明け、こちらが朝食。いつもの天然酵母のパンに、
キノコと春キャベツのごま油炒めなど。
なかでも豆腐を使ったクリームをパンに塗って食べると、これがまたうまい!
明けて赤目塾に到着。いよいよ苗代作りの学びです。また、野菜の方もどんな手入れや種を降ろすのか、とても楽しみです。因みに先月は玉葱の手入れ、エンドウ豆の支柱作り、ジャガイモの植え方でした。それにしても、本日は天気も良く暖かいせいもあってか、参加して初めての大人数のギャラリーが。これだけ人数が多いと、川口さんの近くに行くのも大変です。ここは一つ、気合いを入れて学びに挑みたいと思います!
苗代予定地の田んぼ。昨年の小麦が育っています。
ただ、例年に比べるとやや生育が遅いとのこと。
いつにも増してギャラリーが多い!
どんなに多くても、一つ一つの質問に丁寧にお答え下さる川口さん。
まずは種籾の選別。水に入れて沈んだ籾のみを使用します。
ちなみに今回は赤米の芒(のぎ)有りのものを使用。
去年、イノシシにお米を殆ど食害されたので、赤米で早めの収穫と、
芒は麦みたいに針状の物が籾に付いているので、
食べるのを嫌がる、といった理由からです。
ここでは苗代の大きさは勉強のため大体の広さに。
通常は1反につき1.2m×20mほどあれば十分だそうです。
まずは全体の草を刈り、夏草の種も取り除くように表土を3〜5cmほど削ります。
種籾を蒔いたときに凹凸が無いよう、均一にする為に平鍬の裏を使って鎮圧します。
苗代の全体に種が行くように、軽く握って降ろしていきます。
この後、皆さんで種が重なり合っているところを手でつまんで置き直しの作業に。
次に覆土する土をスコップで掘り出します。
深く掘り出すことにより、草の種が含まれていない部分の土が得られ、
そこの箇所を使用します。
皆で覆土。なるべく団子状に土がならないように、
手の平で崩しながら、摺り合わせて均一に覆土していきます。
仕上げに先程刈った草をのせていきます。因みにこれは小麦です。
また、昨年の稲ワラも用意。これも全体的に蒔いていきます。
こうすることにより、乾燥などを防ぎ、鳥からも籾を守ります。
さらに全体的に再度鎮圧。これにより幾分かの土の乾燥を防いでくれます。
ちょっと土が乾燥気味だったり、早く発芽させたい場合などは、
1回のみ多めに水を加えます。この時、ジョウロなどよりもお椀などを使って、
サラッと水やりした方が効果的だそう。
最後に笹竹を斜めに敷いていき、
苗代の四隅に枝を立ててリングロープ的に鳥除け紐を張っていき、完成です。
変わって野菜畑に。里芋の植え付けです。
株間40〜50cm程で、芋の大きさにもよりますが、大体4.5cmの深さで植えていきます。
この畝半分にサニーレタスの種降ろし。
バラ蒔きという方法で、草を刈ってから全体的に種を降ろし、
さらに草を刈って種を落ち着かせ、草をかぶせた後に鍬で鎮圧します。
こちらはゴボウの種降ろし。鍬の幅の分、3cm程表土を削り、
鎮圧したあと種を降ろします。次に覆土ですが、
基本的に覆土用の土は草の種が混じっていない中の方の土を使います。
再度鎮圧後、草をかぶせて終了です。
こちらは菊菜。これも作業手順はゴボウと同様です。より丁寧に行っています。
こちらはイチゴ。花も咲いてきて、過去になかなか育たなかったのに比べて、順調だそうです。
こちらはエンドウ豆。色々ある方法の中でワラを使っての支柱です!
さらに伸びてきたらもう一段、さらにもう一段と足していくといった具合。
竹や枝を立てるよりも丈夫そうです。
昼食の後、久々のお借りしている畑へ。
こんな状態の陽当たりですが、小麦は育っているようです。
穂が出るまではほど遠いで様子ですが。
何箇所かに出来ていたゴボウ。
最初からあったもので、おそらく大浦系でしょうか。全て収穫しました。
これは残っていた大根と人参。また、ニラは苗として全て収穫しました。
ダメかと思っていたエンドウ豆もスクスクと育っておりました!
今回学んだ苗代作りにより、漸く米作りの終始を学び終えました。この経験を生かして、せた農では陸稲として実践したいと思います。水稲と違って、陸稲は草刈りなどの手間が掛かるので、心して取り組みたいと思います。

ところで急ではありますが、今回の学びで約1年となりますので、赤目レポートは一区切りをつけさせていただきます。今までご覧いただいた方々、本当に有り難うございました。1年学んだ感想としては、お米や様々な野菜の作り方を通じて、その生命の営みに添い、従うことにより、自分は生きているというよりは生かされている存在なんだと、とつくづく感じさせられました。これは慣行、有機農業では得難い、不思議な感覚です。数々の夜の学びでも自然界、生命界において、共生しつつ、失敗と成功を積み重ね、人はどのように生かされている中で歩んでいけば良いのかを、以前よりも深く考えるキッカケを与えていただきました。今ではもう一つ里帰りする場所が増えたみたいに、この赤目の場所や塾生の方々が好きになりました。色々と親切丁寧に接していただいた川口さんを始め、赤目塾スタッフの方々、塾生の方々、ならびに関係者の方々に深くお礼を申し上げます。本当に有り難うございました!

1年とは言ってもまだまだ勉強不足。またいつか、フラッと行きたいと思います。その時は再びレポートしますのでお楽しみに!
それでは皆さん、ごきげんよう!

タカシ
 

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